サラリーマンが不動産投資を始めるにあたり、自身の年収で運用できるのか気になるという方もいると思います。不動産投資は年収が高いほど有利に運用できるものですが、実はそれほど年収が高くなくても適した投資スタイルがあります。
そこで今回はサラリーマンの年収別に、どのような不動産投資ができるのかを説明します。購入できる物件や融資が受けられる金融機関などがわかるので、不動産投資を検討している方の参考になると思います。
不動産投資を始めるのに年収を気にする理由
不動産投資では物件購入の際に金融機関の融資を受けます。そして融資の審査が通るかどうかにおいて、年収が考慮されます。ただし住宅とは異なり、不動産投資では事業用ローンを組むため、住宅ローンとは異なる審査を受けます。購入する物件の収益性も評価されるのです。
とはいえ年収が多いほど融資は通りやすいので、年収により不動産投資の戦略は変わります。金融機関により不動産投資の融資が通りやすいかどうかが違うため、年収によりどの金融機関を利用するかが異なります。
そして融資額も変わるので、購入できる物件の種類も変わります。以上を踏まえて、年収別に不動産投資をどのように始めればよいのかを説明します。
年収1000万円~2000万円でできる不動産投資
年収が1000万円~2000万円程度の人はどのような不動産投資ができるのでしょうか。
年収1000万円~2000万円で購入できる物件
不動産投資のための事業ローンは目安として、年収の7倍から最大で10倍の融資額とされています。つまり年収が 1000万円~2000万円であれば、1~2億円の物件を購入できるということです。
1億オーバーの予算があればさまざまな物件を検討できますが、収益性を確保できるものを選ばなければなりません。そのためには、1棟マンションかアパート、あるいは区分所有マンションを複数という選択肢もありますが、おすすめは耐用年数の残っている低層RCマンション、次いで中古一棟アパート、新築一棟アパートとなります。
収益性の高い物件であればある程度の規模の物を購入しても良いのですが、中規模の物件をエリアを分散して複数に分ける事もリスク対策としてはおすすめになります。
この年収であれば、購入できる物件の選択肢が増えます。逆に言えばその中から収益性の高い物件を見つけ出す選択眼が必要になります。勧誘も増えるので、物件選びに関する勉強も必要になるでしょう。
年収1000万円~2000万円で利用できる金融機関
年収が1000万円であれば、次のような審査が厳しい金融機関で融資を受けることができます。
・メガバンク
・大手銀行
これらの金融機関であれば、低い金利で長期間の融資を受けられるので不動産投資も有利です。低金利なのは高い年収に裏付けされた信用力が理由です。そして毎月の返済額も少なくなるため、キャッシュを残しやすくなります。
年収1000万円~2000万円の不動産投資運用方法
年収が1000万円以上あれば不動産投資も有利に運用でき、物件の選択肢も広くなります。そして物件の買い増しもしやすくなるでしょう。不動産投資は運用実績を積むことで、さらなる融資を受けることが可能になるからです。
そのためにはいかにキャッシュを残すかがポイントになります。物件を買い増すための頭金が必要になるからです。そしてもうひとつ、年収が1000万円を超えると大きな節税効果が生まれます。税金の還付金も利用すれば、物件の買い増しも容易になります。
節税効果を考えると、ふたつの戦略が考えられます。減価償却費が多くなる建物価格が高い新築を購入するか、あるいは短期間で大きな減価償却ができる古い中古物件を購入するかです。
新築であれば担保価値が高いため、買い増しの際には融資審査が有利になります。一方で中古であれば安く購入できるので、初期の段階で複数のアパートを購入するのも可能です。
このように投資戦略を立てたうえで、どのような物件を購入するのかを検討することが大事です。
年収500万~1000万でできる不動産投資
年収が500万から1000万円までの人はどのような不動産投資ができるのでしょうか。
年収500万~1000万で購入できる物件
年収500万~1000万であれば、融資額は最大で1億円になります。この場合にはアパートや1棟マンションが選択肢になるでしょう。賃貸需要が多い都市部でも新築のアパートが購入可能です。
アパートはマンションよりも利回りが高いので、キャッシュが残りやすくなります。現金が残ればさらなる融資も受けやすくなるので、物件の買い増しも可能です。不動産投資の規模を大きくすることを踏まえれば、購入すべき物件も絞られてくるでしょう。
年収500万~1000万利用できる金融機関
年収1000万円以下で不動産投資用のローンが組める金融機関には、次のようなものがあります。
・地方銀行
・信用金庫
地方銀行は金利はさほど高くないものの、保証人を必要とする場合があります。信用金庫も同様に、金利はさほど高くありませんが保証人を必要とする場合があります。
ただし融資審査は割と通りやすいことと、実績を積めばさらなる融資も可能となります。信用金庫は営業範囲が狭いので、購入する物件も信用金庫の営業エリア内であれば有利にローンを組むことが可能になるでしょう。
年収500万~1000万の不動産投資運用方法
年収1000万円以下であれば、不動産投資による節税効果も期待できます。一棟マンションを購入すれば、長期間の減価償却により節税しながら運用が可能です。毎月のキャッシュも確保できるので、担保価値のあるマンションを運用しながら買い増しをすることもできるでしょう。
あるいは家賃利回りが高いアパートを運用し、早期に頭金を貯めることができれば早い段階での買い増しもできます。
このように年収1000万円以下の人は、節税をうまく利用しながら1棟物件を運用して買い増しをしていくという戦略を立てることができます。
年収~500万でできる不動産投資
年収が500万円以下の場合はいろいろと制限がありますが、不動産投資は出来ないというわけではありません。
購入できる不動産物件
年収500万円の場合、3500万円から5000万円までの融資を受けられると思います。また融資審査においては購入する物件の収益性と担保性も評価されます。そのため、賃貸需要が多く空室率が低いエリアでの物件探しが必要になります。
融資をひいて、今後の投資のスピードを落とさないようにするにはある程度の物件価値のある物を選ぶ必要があります。土地の価値があるエリアの築古戸建て、アパート、場合によっては告知有物件等もおすすめです。セルフリフォーム等で費用を浮かせる事も検討する必要があります。制限の多い中での不動産投資は苦労も多いですが、投資スキルが向上には一番向いているとも言えます。
年収~500万で利用できる金融機関
年収500万円で不動産投資のためのローンを申し込むとなると、融資審査がさほど厳しくない次のような金融機関が考えられます。
・日本政策金融公庫
・ノンバンク
・ネット銀行
日本政策金融公庫は金利はそれほど高くありませんが、借入期間は最大で20年、融資限度額も4800万円となっています。
ノンバンクは審査がさほど厳しくない分、金利が高めとなります。ネット銀行も金利は高めで借入期間も25年以内ほどとなっています。
年収~500万の不動産投資の運用方法
年収500万円の場合、購入する物件により運用方法も変わります。新築ワンルームマンション等、であればローン返済期間が長く家賃収入も増えます。その結果、毎月の手取り収入が多くなりますが、中古マンションはその逆になります。ローン返済期間が短く返済額が増える反面、家賃収入は新築ほど多くないので、毎月の収入は少なくなります。
新築マンションであれば手持ち資金を増やし、さらに買い増しをすることも可能になります。一方で中古マンションや築古戸建て・アパートであればローン返済を早めに終えて安定収入を得ることを目指すことになるでしょう。
つまり買い増しにより物件を増やすか、あるいは1戸のマンションを将来の安定収入のために運用するかといった選択肢があるということです。
共働きなら幅が広がる
夫婦が共働きであれば、2人で不動産投資をすることにより運用の幅が広がります。実際、私は妻が教師だったため、本業がまだ未熟な頃に始めた不動産投資で融資を引け、大きな利益を残す事が出来ました。
共有名義で年収が増える
夫婦が共働きであれば、共有名義で物件を購入できるので不動産投資の幅が広がります。2人合わせた年収で融資額が増えるため、購入できる物件の選択肢が増えるからです。
また2人で運用するためにどちらかが働けなくなっても、収入はゼロになりません。そのため単身で不動産投資をするよりもリスクを軽減できるのがメリットと言えるでしょう。
デメリットも理解することが必要
夫婦が共有名義で不動産投資をすることにはリスクがあることを知っておきましょう。たとえばどちらかが仕事を辞めてしまうと、収入が大幅に減少します。その結果、もし空室となればローン返済負担が増えるので注意が必要です。
また物件を売却する際には、お互いの同意が必要です。意見が合わなければ運用がうまくいかない点にも留意しましょう。
そして共有名義の場合、団体信用保険に加入できるのは主たる債務者のみです。たとえば夫が主となる連帯債務という形であれば、夫が死亡しても妻のローン返済は残ります。この点も注意が必要です。
まとめ
不動産投資は年収が500万円ほどから始めることができます。また年収の額に応じて、取るべき運用方法が異なります。自身の年収に応じてどんな物件が購入できるのか、そしてどのように運用すればよいのかを考えた上で不動産を始めるのがおすすめです。